革靴のつま先には、たくさんの種類があります。
なかでも街なかや店頭でよく見かける王道のつま先といえば「ストレートチップ」です。
ピシッとした誠実な印象があるストレートチップの革靴は結婚式やビジネスシーンにぴったりで、一足持っておくといざというときに活躍してくれます!
この記事では、ストレートチップの特徴やおすすめのブランド、コーディネートの仕方を紹介したいと思います。
「ストレートチップ」とは?
ストレートチップとは、下の写真のようにつま先に一直線のラインが入っているデザインのことをいいます。
日本では「一文字(いちもんじ)」という名称で呼ばれることもあります。
ストレートチップは、一直線に結ばれたラインによって**誠実で厳格な表情**が靴に生まれます。
そのため、冠婚葬祭や式典といったイベントごと、ビジネスシーンでスーツに合わせると足元に格式高い雰囲気が出てくれます。
覚えておきたいのは、「ストレートチップ = フォーマルな革靴」ではないということです。
ストレートチップは、単につま先のデザインの一種なので、甲のデザインとの組み合わせによってカジュアルにもフォーマルにもなります。
たとえば、下の写真はストレートチップと「モンクストラップ」というデザインの組み合わせ例です。
モンクストラップはベルトとバックルで甲を固定するタイプの靴で、ややカジュアルでおしゃれな印象になります。
一方、下の写真はストレートチップと「内羽根(オックスフォード)」というデザインの組み合わせ例です。
内羽根は、靴紐を通す穴が空いている「羽根」というパーツが甲の下に潜り込んでいるタイプの靴で、先ほどのモンクストラップよりもフォーマルな印象になりました。
同じストレートチップでも結構印象が変わってきませんか?
たしかに、ストレートチップによってフォーマルさは増しますが、甲のデザインによってはカジュアルな服装にも全然合わせられます。
ですので、「ストレートチップ = ちょっとピシッとした感じ」 くらいで覚えておくのがいいかもしれません。
豆知識:ストレートチップ以外のつま先のデザイン
革靴のつま先のデザインには、ストレートチップ以外にも「プレーントゥ」や「ウィングチップ」などがあります。
一番左の「プレーントゥ」は、つま先に縫い目や装飾がなく、どこか優して柔らかい雰囲気があります。
真ん中の「ウィングチップ」は、W 字型の装飾がついていて華やかさが際立ったデザインです。
どちらもストレートチップよりも若干カジュアル目な装いに合いやすいです。
ストレートチップのおすすめブランド 3 選
同じストレートチップでも、ブランドやメーカーによって細かい部分に違いがあります。
そこで、さまざまなバリエーションのストレートチップの革靴を、おすすめブランドとともに紹介したいと思います!
超王道「RENDO」のストレートチップ
最初に紹介するのは、東京・浅草に店を構える国産の紳士靴ブランド「RENDO(レンド)」のストレートチップです。
もっともシンプルで王道なデザインで、フォーマルでかしこまった場面に履くのにもピッタリな一足です。
「グッドイヤー・ウェルト製法」という製法で作られており、修理を繰り返しながら長く履くことができます。
RENDO は細部まで手の込んだ綺麗な作りが特徴的で、コアな革靴ファンから支持を得ている紳士靴のブランドです。
価格はおおよそ 5 万円ほどで、「公式オンラインストア」で購入することができます。
東京の浅草には実店舗があるため、お近くの方はぜひ足を運んでみてください!
遊び心のある「3DM Lifestyle」のストレートチップ
次に紹介するのは、インド発の紳士靴ブランド「3DM Lifestyle(3 ディーエムライフスタイル)」のストレートチップです。
先に紹介した RENDO のストレートチップよりも、少しだけ遊びのあるデザインをしています。
たとえば、革の切り返し部分には「ギンピング」というギザギザの装飾がついていたり、ストレートチップの縫い目が三重になっている「トリプルステッチ」になっていたりなどです。
内羽根であるためフォーマルな雰囲気はそのままに、ちょっとだけ遊び心をプラスしています。
「マッケイ製法」という、履き心地が柔らかくも修理を繰り返しながら長く履ける製法でつくられています。
コスパが良いブランドなので、安くて良い靴が欲しいという方におすすめのブランドです。
ミニマルな雰囲気「CARMINA」のストレートチップ
最後に紹介するのは、「CARMINA(カルミナ)」のストレートチップです。
カルミナは、150 年以上(!)もの歴史を持つスペインの伝統的な靴メーカーが展開するファクトリーブランドです。
さまざまなストレートチップの革靴を取り扱っていますが、ミニマルな雰囲気があるのが「80424」というモデルです。
80424は、アッパー(ソールより上側)の縫い目を見えないように仕上げる「レベルソ仕上げ」という意匠を採用しています。
このレベルソ仕上げによって、靴全体にミニマルで洗練された雰囲気が出ています。
作りはグッドイヤーウェルト製法で、価格はおおよそ 7 万円ほどです。
カルミナは、「公式サイト」や高級紳士靴のセレクトショップ「Trading Post」などで購入ができます。
幅広いデザインの革靴を取り扱っているので、もしかすると 80424 以外でも好みのストレートチップが見つかるかもしれません!
豆知識:ストレートチップは「キャップトゥ」のうちのひとつ
つま先に直線のラインが入ったものは総称して「キャップトゥ」と呼ばれ、ストレートチップはキャップトゥの一種です。
キャップトゥには、ストレートチップ以外にも、穴飾りが付いた「パンチドキャップトゥ」などがあります。
なかにはパンチドキャップトゥに加え、つま先の先端に「メダリオン」と呼ばれる穴飾りが付いたものもあります。
穴飾りがついていると、厳格さよりも華やかさが出てきます。
基本的にストレートチップは穴飾りのないものを指すので、ストレートチップはキャップトゥのなかでもフォーマル度の高いデザインといえます。
ストレートチップのコーディネート例
冒頭で「ストレートチップ = フォーマルな革靴」ではないと書きました。
とはいえ、「結婚式や仕事でスーツに合わせてならストレートチップを履くけど、普段の私服に合わせて履くにはちょっとフォーマルすぎる」という方も多いのではないでしょうか。
そんな方に向けて、普段の私服にストレートチップを合わせたコーディネートをご紹介したいと思います。
ストレートチップは冠婚葬祭や仕事の日だけでなく、休日にも活躍してくれる靴なのです。
内羽根は、綺麗目でシンプルな服装に合わせる
まずは、内羽根ストレートチップの例です。
内羽根ストレートチップは、シャツ + スラックスなど綺麗目な服装に合わせると、足元が締まってみえてコーディネートがまとまりやすいです。
厳格な雰囲気が出すぎてリラックス感がなくなってしまわないように、シャツやスラックスはすこしゆったり目のサイズがいいかもしれません。
モンクストラップは、柄物の服装と合わせる
つぎは、モンクストラップのストレートチップの例です。
モンクストラップの場合、柄物のジャケットなどと合わせると、モンクストラップがもつ華やかさとバランスが取れてコーディネートにうまく馴染んでくれます。
ストライプやチェック柄のスラックスにあわせるのもアリです。
おわりに
ストレートチップは、古くからフォーマルな場面で履かれてきた歴史があります。
今でも変わらず、冠婚葬祭やビジネスシーンでスーツと合わせて履く靴としては定番中の定番です。
それだけでなく、ご紹介したように綺麗目の私服と合わせて履くことで休日にもバッチリ活躍してくれます!
まだストレートチップの革靴をお持ちでない方は、これを機に一足購入してみてはいかがでしょうか?
ここまで読んでいただきありがとうございました。