「気に入って買った革靴が痛くて履けない!」という経験はありませんか?
我慢して履いていると痛いだけでなくストレスも溜まり、身体的にも精神的にもよくありません。
せっかく買ったお気に入りの革靴。痛みに対処して気持ちよく履けるようにしましょう。
痛い箇所によって対策方法は異なりますので、痛い箇所ごとに対策方法を解説したいと思います。
この記事のもくじ
痛くなりやすい箇所と痛みの原因まとめ
まずは、痛くなりやすい箇所とその痛みの原因をみてみます。
足の親指や小指の側面が靴の内側に擦れたり、あるいは甲に入ったシワが指の付け根に食い込んだりなど、痛くなる箇所とその原因は、いくつかのパターンに分けられます。
親指や小指の側面
おそらく一番多いのは、足の親指や小指の側面が痛くなるケースです。
つま先のスペースが狭い靴や自分の足より小さい靴を履くと、足と靴の内側が擦れて痛くなります。
我慢して履き続けると、痛いだけでなくタコやウオノメができることもあります。
このケースは「革を柔らかくする」または「革を伸ばす」のが有効な対策です。
長時間履いて痛くなるのであれば「革を柔らかくする」
朝から履いていて夕方ぐらいになると痛くなるなど、長時間履いて痛みがでるのであれば「革を柔らかくする」のが有効です。
すぐに痛くなるのではなく、長時間履くと痛くなるということは、ある程度は靴が足にフィットしていると考えられます。
ただ、わずかな擦れでも繰り返されると痛みがでてくるので、革を柔らかくして足に馴染ませ、痛みがでないようにします。
履いてすぐに痛くなるのであれば「革を伸ばす」
履いてすぐに痛くなるときは「革を伸ばす」のが有効です。
すぐに痛くなってしまうのは、靴が足の形にフィットしておらず、強く擦れてしまっているケースです。
この場合は、痛くなる箇所を部分的にグイッと無理矢理引き伸ばして変形させることで、足と靴の擦れを軽減します。
甲や指の付け根
次に、足の指の付け根や甲が擦れて痛くなるケースです。
シワが指の付け根や甲に食い込んだり(靴に噛まれると表現されます)、靴の甲が足を圧迫したりすることで痛くなります。
このケースも「革を柔らかくする」または「革を伸ばす」が有効な対策です。
長時間履いて痛くなるのであれば「革を柔らかくする」
長時間履いていると痛くなる場合は、親指や小指の側面が痛くなるときと同様、革を柔らかくすることで痛みが軽減します。
履いてすぐに痛くなるのであれば「革を伸ばす」
履いてすぐに痛くなるときも、親指や小指の側面が痛くなるときと同様に、靴が足の形にフィットしていないのが原因です。
痛くなる箇所の革を伸ばすことで痛みがでにくくなります。
かかとやくるぶし
次は、靴の履き口がかかとやくるぶしに当たって痛くなるケースです。
靴擦れもここに含まれます。
触ってみると分かりますが、靴の履き口は裂けたり破れたりしないように丈夫に固く作られています。
この固い履き口にかかとやくるぶしが擦れ続けると、ときには歩けなくなるほど痛くなります。
このケースは、靴を履いたときにどの程度ゆとりがあるかによって、以下の 3 つの対策があります。
全体的にゆとりがあるようであれば「インソールを入れる」
全体的に靴の中にゆとりがあるようであれば「インソールを入れる」が有効です。
インソールを入れると、インソールの厚みぶんだけ靴の中のスペースがなくなります。
足と靴の間のスペースをなくして履き口周りのフィット感を高めることで、履き口と足が局所的に擦れないようにする方法です。
かかと周りだけゆとりがあるようであれば、「L 字型パッドを貼る」
つま先や甲の部分にゆとりがなく、かかと周りだけゆとりがあるようであれば「L 字型パッドを貼る」が有効です。
L 字型のパッドとは、かかとを下から側面まで覆うような形状のパッドです。
つま先や甲にゆとりがないのにインソールを入れると、かかとやくるぶしは痛くなくなっても、逆につま先や甲などが痛くなるかもしれません。
L 字型のパッドであれば、つま先や甲のサイズ感を変えることなく、かかとやくるぶし周りだけフィット感を高めることができます。
全体的にゆとりがないのであれば「革を柔らかくする」または「小さめのパッドを貼る」
全体的にゆとりがないのであれば「革を柔らかくする」または「小さめのパッドを貼る」が有効です。
前者は、擦れて痛い箇所を柔らかくする方法で、フィット感を変えずに痛みを軽減できます。
後者は、小さめのパッドを貼って部分的にフィット感を高める方法です。
パッドの大きさには種類があり、500 円玉くらいの大きさのものや履き口周りだけに貼るようなものもあります。
今すぐ対処したい場合
「時間がないけど、革靴をたくさん持っておらず、痛くなる靴を履くしかない。」
「出先で我慢できないほど痛くなってしまった。今すぐなんとかしたい。」
そういう場合は「絆創膏を貼る」で一時的に痛みを和らげることができます。
根本的な解決にはならないので、後日痛みのケースに合わせた対策をするようにしましょう。
足の裏
最後は、長時間履いていると足の裏が痛くなるケースです。
革靴はスニーカーと違いインソールが固く、長い時間履いていると痛みがでてくる場合があります。歩き方や足の形によって、痛くなりやすい場合があるようです。
このケースの場合は「インソールを入れる」が有効です。
インソールを入れることで、足の裏への当たりを柔らかくして痛みを軽減できます。
痛みの対策まとめ
それでは、痛みを和らげる具体的な方法を解説していきます。
私の経験や知識から、これらの対策をすることで痛みはかなり和らぐと思います。
革を柔らかくする
革を柔らかくするには、ミンクオイルを使用します。
ミンクオイルは他のオイルに比べて革への浸透力が高く、すこし塗るだけで油分がぐんぐん浸透して、革が柔らかくなります。
ただ、油分が浸透しすぎて油シミになってしまうことがあります。
一度目立たないところでシミにならないか試してみるのがいいと思います。
また、塗るときは一度にたくさん塗らず、すこしずつ塗るようにしましょう。
モゥブレイのピュアミンクオイルを使って、塗り方を解説します。
ミンクオイルの使い方
痛くなる箇所確認します。
人差し指でオイルの表面をなぞるようにすこし取ります。
痛くなる箇所の表側に塗り込みます。
最後にから拭きします。
これで塗った箇所がすこし柔らかくなって、痛みが和らぐかと思います。
革を伸ばす
革を伸ばすのには「シューストレッチャー」という道具を使用します。
シューストレッチャーとは、シューキーパー(靴の形を綺麗に保つシューケア用品)にコブがついたような道具です。
ところどころ穴が空いており、そこにコブを取り付けて靴の中に入れることで部分的に革を伸ばすことができます。
BeryKoKo のシューズフィッターという商品で、使い方を解説します。
シューストレッチャーの使い方
まず、足に当たって痛くなる箇所を確認します。
痛くなる箇所にコブが押し当たるように、付属のコブをストレッチャーに取り付けます。
ストレッチャーを靴の中に入れます。
靴のサイズに合わせて、ストレッチャーのサイズを調整します。BeryKoKo のシューズフィッターの場合は、真ん中の銀のネジを巻くことで、かかとのパーツの位置が調整できるようになっています。
さらに、黒いバーを回すとつま先のパーツが横方向に広がるようになっているので、伸ばしたい箇所にコブがくるように調整します。
そのまま 1 日放置すれば、コブを当てた部分の革が伸びて痛くなりにくくなっているかと思います。
革が伸びないときはミンクオイルを使いましょう
革の質やコブの大きさなどによって、革が思うように伸びないことがあります。
そんなときは、ストレッチャーを使う前にミンクオイルで革を柔らかくしておくことで、革が伸びやすくなります。
ミンクオイルの使い方は前節で解説しているので、革が伸びにくい場合は試してみてください。
インソールを入れる
インソールを入れることで全体的なフィット感を高め、痛みの軽減を図ります。
インソールを選ぶときのポイントは厚みです。
インソールを入れるとそのぶん靴の中のスペースが小さくなります。
靴の中にどれぐらいゆとりがあるかを確認してから、ちょうど良さそうな厚みのものを試してみましょう。
O.M.C TOKYO のインソールはクッション性が高く、長時間履いても疲れにくいのでおすすめです。
L 字型のパッドを貼る
L 字型のパッドを貼ることで、かかと周りのフィット感を高め、かかとやくるぶしの痛みを軽減します。
L 字型のパッドを貼ると、下の写真のような見た目になります。
写真では、分かりやすいように黒の裏地の靴に白いパッドを貼っています。
黒やベージュなど種類があるので、裏地に近い色を選ぶとパッドを貼っても目立ちにくいです。
すっぽりと覆うように足をホールドしてくれるので、かかと周りのフィット感がかなり高まります!
小さめのパッドを貼る
小さめのパッドは、痛くなる箇所に貼ることで、靴と足が直接擦れないようクッションの役割を果たします。
小さめのパッドを貼ると、下の写真のような見た目になります。
写真では、かかとの部分に貼る透明のジェル素材のパッドを使用しています。
プニプニしていて足あたりが良く、透明なので目立ちません。
フィット感を変えることなく、痛みを軽減できます。
足に絆創膏を貼る
絆創膏を貼ってやり過ごす方法です。
根本的な解決にはなりませんが、痛みを感じる箇所を保護できるので、一時的にはかなり痛みが和らぎます。
傷になってからではなく、すこし痛みを感じた段階で早めに貼っておくと、悪化させずに済みます。
おすすめの絆創膏は「キズパワーパッド」です。
普通の絆創膏に比べて剥がれにくく、半透明の肌色なので貼っても目立ちにくいです。
大きめでクッション性が高い、靴擦れ専用のキズパワーパッドもあります。
おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございました。
この記事が、靴を履いたときの痛みをすこしでも軽くする助けになれれば嬉しいです。
革靴を履いたときの痛みの原因は、靴と足の形状の違いによるものがほとんどです。
したがって、靴を購入する際には、痛くならないよう慎重にサイズを選ぶことも大切です。