はじめまして、くすみと申します。
この度靴好きをこじらせ、カタオカ先生に靴づくりを教えていただくことと相成りました。
手先だけは器用なワタクシくすみではございますが、綺麗にできるかなぁという少しの不安と楽しみとが入り混じってドキドキです。
これからしばらく、カタオカ先生のブログで靴づくりの模様を記事にさせていただきますので、是非ご覧になってみてください。
時には難しさを感じることもあるとは思いますが、靴づくりの楽しさを存分にお伝えできるよう、僕自身も楽しんで靴を作っていこうと思います。
というわけで早速ですが、まずはカタオカ先生に靴づくりの大まかな流れについてご説明いただきます。
靴づくり全体の流れ
全体の流れはこんな感じです。
第 1 回「デザイン & 材料」
1 日目:オリエンテーションとデザイン決め
2 日目:材料調達
第 2 回「パターンの作成」
3 日目:スタンダードフォーム作成
4 日目:各パーツの型紙作成
第 3 回「アッパー(仮)の製作」
5 日目:革の裁断、漉き加工
6 日目:ミシンがけ
第 4 回「仮縫い靴の製作」
7 日目:吊り込み
8 日目:底付け
9 日目:フィッティング & デザインの確認
第 5 回「アッパーの製作」
10 日目:革の裁断、漉き加工
11 日目:ミシンがけ
第 6 回「吊り込み」
12 日目:中底の加工、芯材のクセ付け
13 日目:吊り込み
第 7 回「底付け パート 1」
14 日目:糸作り、すくい縫い
15 日目:すくい縫い(続き)
第 8 回「底付け パート 2」
16 日目:アウトソール加工、接着、ドブ起こし
17 日目:出し縫い
18 日目:出し縫い(続き)
第 9 回「底付け パート 3」
19 日目:ドブ伏せ、ヒール積み上げ
20 日目:コテあて、コバ周り整え
第 10 回「仕上げ」
21 日目:コバ周り色入れ、仕上げ
22 日目:インソール作成、磨き
23 日目:完成
やはり、工程としてはかなり数が多いように見えますね。
今回は、デザインを決めてそれを木型に描き、材料を調達するところまでをご紹介いたします。
道具説明
全体の流れをご説明いただいたタイミングで、靴づくりに使う道具についても簡単にご紹介いただきました。
実際に使う時に詳しくご紹介するので、ここでは簡単にご紹介していきます。
まずは、すくい縫いと言ってハンドソーンウェルテッド製法の底付け専用の針です。コルクは針を保管する時に安全のために刺しておくもの。
左から、わげさ、えんま、ワニと釘です。こちらも底付けのときとアッパーを釣り込むときに使う道具です。
左から、うま、革包丁、ハンマー。
こちらも釣り込みに使う道具です。革包丁は革を裁断するときに使うもの。左にある黒い四角い革は革包丁を研ぐ時に使うものです。
底付けをした後、ソールのコバに使うコテです。
ウィールという、コバの縫い目にギザギザを付けるための道具です。
コテとかウィール、横一列に並ぶとなんだかかわいいですね。
革靴のデザインを決める
靴のデザインを決めないことには何もはじまりません。
これが一番楽しくて一番辛いところ。
優柔不断な僕にそんな短時間でデザインを選べだなんて、カタオカ先生もなかなか酷なご指導をなさる。(事前に考えといてねって言われてました)
自分で作る初めての靴なら、絶対オーソドックスなストレートチップっしょ!と、当初は迷う余地さえなかったのですが、いざマジメに考えはじめるとそう簡単にはいきません。
参考用にインスタでいろんな靴を眺めていると、あれも良いこれも良いとまぁ気移りします。
いろんな靴に囲まれながら、ああでもないこうでもないと自分の靴をイメージする至高のひととき。
カタオカ先生にアドバイスもいただきつつ、クラシカルなストレートチップだけどちょっとだけ大人っぽさを演出するデザインにしました。
木型にデザインを描く
デザインを決めたら木型にマスキングテープを貼り、その上にデザインを描いていきます。
このマスキングテープは剥がして平面にしたものが、革を裁断するときの型紙の元(スタンダードフォーム)になります。
型紙をつくるだけでも結構工程が多いんです。
ちなみに、僕は以前カタオカ先生に1足靴を作っていただいたことがあるので、今回もその木型をベースに進めていきます。
木型全体にマスキングテープを貼ったら、靴のセンターラインを決めて、左右対称のパターンを作ります。
靴のデザインによっては左右でパターンを変えることもあるようですが、今回はストレートチップなので、片側だけパターンを作ってそれを反転させて、左右対称のパターンを作っていきます。
先ほど決めたデザインをマスキングテープの上に描き、全体のバランスを見ながら整えていきます。
最終的に、5アイレットのロングバンプストレートチップ。最終的にこのデザインに決めました。
カタオカ先生曰く、アイレットの数は奇数の方が王道で、数が多くなるほどクラシックな雰囲気になるんですって。
クラシックなのもいいけどそれだけだとちょっと味気無いかもと思い、ロングバンプにすることでちょっとだけ大人っぽいエレガントな、まさしく僕にぴったりのデザインになりました。
材料調達
別の日。
カタオカ先生と一緒に浅草へ材料を調達しにいきます。
浅草駅で待ち合わせをしてバスに乗り、まず最初に向かったのは蜂谷さんという革屋さん。
入り口はめちゃくちゃわかりづらいところにありますが、階段を上がって2階のお店に入ると、壁沿いにずらりと革のロールが並んでいます。
お店の方、すごく親切で革をいろいろと見せてくださいました。僕みたいな素人が行っても革の販売をしてくださるそうですので、これから靴づくりをされたいと思われている方にはおすすめです。
ダークブラウンのオイルドキップ
カタオカ先生もお店の方もおすすめということで、こちらのオイルドキップの革を見せていただきます。
お色は、黒、ブラウン、ダークブラウン。
オイルドキップで油分が豊富なのか、しっとりした肌触りの肌目も綺麗な革でした。
黒でもブラウンでもよかったんですが、今回のクラシカルでエレガントな靴のデザインに合うように落ち着いたダークブラウンの革にしました。
その他の材料
靴底の素材やライニングの革はカタオカ先生がお持ちなので、それ以外の材料を浅草では有名な靴の材料屋さんマモルでまとめて購入します。
・積み上げ
靴のかかとに積み上げる革の素材です。
・トップリフト
かかとの一番下の素材。後ろ側がラバーになっているよく見るタイプのものです。
・ウェルト
靴の中底と本底を縫い合わせるための革の帯です。
・ハチマキ
ウェルトと同じような役割ですが、こちらはかかと部分に使うもの。
・シャンク
靴底の中に入れる芯のような役割をする金属です。
この他にもいろいろと材料を調達しました。
最後に
デザインを決めてそれを木型に描く工程はとっても楽しかったです。
第一回目ながら、早くも最初のピークを迎えた感がありました。だいぶ興奮した。
普段何気なく履いてる靴ですが、きっと作ってみて初めてわかることがたくさんあると思うんです。自分で作ることの楽しさも難しさも含めて、靴づくりや革靴の魅力をお伝えできたらいいなぁと思っています。
カタオカ先生、今後ともご指導よろしくお願いします!
何年か前にジミーチュウでサンダルを購入しました
甲が低く痛いです
何か足して甲高にしていただく事は可能でしょうか
費用は.気にしません
コメントありがとうございます。
私は承っておりませんが、靴修理屋さんへ持っていけばサイズ調整をしてくれるかと思います。
気持ちよく履けるようになると良いですね!