ビジネスマンであれば必ずしも一足は持っているであろう、黒い革靴。
相手に誠実な印象を与える黒は、かしこまった場面では最適な色と言えるでしょう。
しかし、手入れをしていないくすんだ黒だと、逆にだらしない印象を与えてしまうかも!?
そこで、この記事では黒い革靴に特化した手入れの方法を紹介したいと思います。
基本的な手入れの方法から、クリームの色やブラシの使い分けなど、黒い革靴ならではの情報を掲載しています。
革靴の手入れ方法をご存知の方も、新しい発見があるかもしれません。
黒い革靴の特徴
黒い革靴は、見る人に誠実な印象を与えます。
高級感や格式高い雰囲気もあり、冠婚葬祭や式典、ビジネスシーンで履くには最適だと言えるでしょう。
また、茶色の革靴に比べると、傷やシミが目立ちにくいのも黒い革靴のいいところです。
しかし、だからといって手入れをおこたると、誠実な印象や高級感は失われてしまいます。
下の写真は、手入れをする前と手入れをした後の黒い革靴を比較した写真です。
左側は手入れをする前で、色がくすんでいてなんともだらしくなく不潔な印象です。
右側は手入れをした後で、黒が鮮明で艶もあり、清潔感のあるいい印象です。
忙しい日々を過ごしていると、自分で履いている靴が汚くなっていることになかなか気がつかないものです。
定期的に手入れをして、清潔感のある状態をキープするようにしましょう。
用意するもの
それでは、手入れに用意するものを紹介します。
ここで紹介している道具のほとんどは、黒以外の色の革靴にも使用できます。
あると便利な道具ばかりなので、揃えておくといいでしょう。
シューキーパー
靴の形が崩れないようにするためにシューキーパーを用意します。
シューキーパーを靴の中に入れることで、革がピンっと張ってクリームが塗りやすい状態になります。
馬毛ブラシ
一日履いたあとの靴をよく見てみると、ホコリやチリなどがついているのがわかります。
クリームを塗る前に、これらのゴミを馬毛ブラシで払い落とします。
全体をブラッシングするので、しっかり持つことができる大きいブラシがおすすめです。
クリーナー
馬毛ブラシだけでは落としきれない細かいゴミや汚れを拭き取るために、クリーナーを使います。
革を痛めることなく汚れを落とすことができるモゥブレィのステインリムーバーがおすすめです。
乳化性クリーム
油分と水分の補給ができる乳化性クリームを用意しましょう。
革は乾燥しすぎるとひび割れてしまうことがあり、ひび割れてしまった革はもとには戻りません。
革靴の手入れにおいては乳化性クリームを使って革を乾燥から守ることが大切です。
色落ちを見越して、黒いクリームを用意する
乳化性クリームには色の種類がたくさんあります。
黒い革靴の手入れでは、色落ちすることを見越して黒い色のクリームを用意しましょう。
革靴は、履いているとだんだんと色落ちしたり、傷がついたりして補色をすることがあります。
本来であれば色付きクリームは補色のタイミングで使用するものですが、いずれは色が落ちてくるので、色落ちを見越して黒いクリームを用意するのがおすすめです。
ペネトレィトブラシ
ペネトレィトブラシは、クリームを塗るための小さいブラシです。
手を汚すことなくクリームを使えるので、とても重宝します。
豚毛ブラシ
ペネトレイトブラシで塗ったクリームを全体に均一に伸ばしていくために、豚毛ブラシを使います。
豚毛は馬毛に比べて毛先が固いので、クリームを薄く均一に行き渡らせることができます。
豚毛ブラシの使い回しは NG
ブラッシングでクリームをなじませていると、ブラシの毛先にクリームが付いてどんどん黒くなってきます。
黒いクリームが毛先についたブラシを茶色など他の色の靴にも使い回すと、色移りしてしまう可能性があります。
同じ黒い色の靴なら使いまわしても大丈夫ですが、他の色の靴の手入れには別のブラシを用意するようにしましょう。
布
布はクリーナーで汚れを拭き取るとき、そして最後の仕上げに磨くときに使います。
使い古した T シャツでも代用可能です。
ワックス(お好みで)
仕上げに艶を出したいときは、お好みでワックスも用意します。
先に紹介した乳化性クリームでもある程度の艶は出ますが、ワックスを使うことでさらにつやつやにすることができます。
おすすめのワックスは、KIWI のワックスです。
はじめての方でも簡単にピカピカに光らせることができます。
黒い革靴を手入れする手順
それでは、手入れをする手順をご紹介します。
おおまかな流れは、普通の革靴の手入れと変わりありません。
所用時間は、10 分ほどです。
1. シューキーパーを入れる
最初に、手入れの邪魔になる靴紐をはずし、靴の中にシューキーパーを入れます。
形がしっかりと保たれるので手入れがしやすくなります。
また、シューキーパーにはアウトソールの反りを矯正し、靴の形をきれいに保っておく効果があるので、手入れが終わった後も入れたままにしておきます。
2. 馬毛ブラシでホコリを落とす
次に馬毛ブラシで靴についているホコリを払い落とします。
コバ周り(ソールが側面に出っ張っている部分)や縫い目などはホコリがたまっているので、入念にブラッシングしましょう。
3. クリーナーで汚れを拭き取る
ブラシでは落としきれない細かな汚れをクリーナーで拭き取ります。
指に布を巻き、10 円玉の大きさくらいに染み込ませます。
ゴシゴシすると革が傷んでしまうため、やさしくなでるように靴を拭きます。
1 度クリーナーを取っただけでは全体を拭ききれないので、2 〜 3 回に分けて全体を綺麗にします。
4. クリームを塗る
下記の写真を目安に、ペネトレィトブラシにクリームを取ります。
靴に塗り込みます。
シワの部分は色がくすんでしまいやすいので、入念に塗り込みましょう。
一度では全体に塗りきれないので、2 〜 3 回に分けて全体に塗ります。
5. 豚毛ブラシでクリームをなじませる
次に、豚毛ブラシでブラッシングしてクリームをなじませます。
少し力を入れて強めにブラッシングするのがコツです。
ここまで終わると、少しだけ艶が出てきます。
6. 布で磨く
布で磨きます。
クリームが残っていると、ズボンの裾に色が移ってしまうので、残ったクリームを拭き取るイメージで入念に磨きましょう。
これで手入れは完了です!
黒の発色が良くなり艶も出て綺麗になりました。
手入れは以上ですが、ここからワックスを使ってさらにピカピカにしていくことができます。
ワックスを使った艶の出し方は、「革靴をピカピカに輝かせる鏡面磨き(ハイシャイン)の方法とその落とし方」の記事でまとめています。
あわせてご覧ください。
黒色の革靴を手入れする頻度
クリームを使った手入れの頻度は、月に 1 度程度です。
履いたあとに馬毛ブラシでブラッシングすると、綺麗な状態がより長持ちします。
この手入れの頻度は、ほかの色の革靴も同じで、黒い革靴に限った話ではありません。
最初は億劫かもしれませんが、月末に手入れする、脱いだらブラッシングするなど、習慣にしてしまえば簡単です。
定期的に手入れして、靴を綺麗な状態に保つようにしましょう。
おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございました。
この記事では黒い革靴の手入れについて詳しく解説しました。
しかし、ここで紹介した道具や手入れの手順は、ほかの色の革靴にも応用することができます。
この記事を読んで黒い革靴を手入れしたら、ほかの靴も一緒に手入れしてみてはいかがでしょうか。